#2|KASHIMA - TARA 想いに触れる

ものづくりを体感。
つくり手の心に触れた時間。

#2

ものづくりを体感。
つくり手の心に触れた時間。

旅の醍醐味のひとつとしてあげられるのが "おみやげ” だ。
行った先々でしか手に入らない特別なものを、大切な人のために、日常に戻った自分のために、選ぶ。
今回の旅では、ものづくりに情熱を傾ける人たちに出会い、心がこもったものに触れて、帰ったあとも、この旅のことを思い出せるおみやげができた。

記事に登場するスポット

田嶋畜産

藤津郡太良町 大字多良1017−1

0954-67-0338

  • 祐徳稲荷神社からほど近い場所に工房兼ギャラリーを構える「杉彫」。迫力ある面浮立の面などの伝統工芸品の他、木彫りの兜や表札、ネット販売でも人気の置物、スマホケースなどを製作しているそう。
    一歩、店内に足を踏み入れば、楠や檜の香りに癒される。優しく迎えてくれたのは五代目・小森恵雲さん。中学校の美術教師をしていたが「伝統工芸品のつくり手を絶やしてはいけない」と五代目を襲名。
    今では、佐賀県美術展覧会でも多くの入賞歴を持ち、SNSに投稿された作品を見て、東京からも製作依頼がくるほど。奥の工房には、数えきれないほどの彫刻刀が並ぶ。
    「こんなにたくさんの道具を使ってつくられるんだ!」と、ものづくりの奥深さに少し触れた気がした。

    ここで体験できるのは、天然木のキーホルダーの色付けや面浮立の面を模した薄い木板の彫りなど。説明を聞いて、早速スタート。まずは、和柄が施された天然木に色付けを。
    小森さんの教え方は、わかりやすく、あたたかい。きっと、小さな子どもでも安心して楽しめると思った。最初は、絵柄選びや色選びで迷ったけど、気づけば、黙々と筆を走らせていた。色付けはどんどん進み、金具を付けてキーホルダーは完成。
    続いて、面浮立の面。まずは色付けをして、その後、彫刻刀を使って模様を入れていく。不器用なりに、彫りもなんとかできた。面浮立の面は、魔除にもなるらしい。早速、部屋に飾ろう。
    ものづくりの楽しさに触れる体験になった。

  • 次は、「食」のものづくりに触れてみた。鹿島市のお隣、太良町で食肉加工業を営む「田嶋畜産」へ。
    食材豊かな太良は、昔から養豚業も盛んで、新鮮な豚肉が手に入りやすいことから、おいしいハムやソーセージづくりができるそう。田嶋畜産のこだわりは、誰もが安心して食べられる「完全無添加」。食の安全を実現しながら、お肉本来の味わいを追及している。その味を求めて、全国から注文がきているらしい。大のお肉好きを自称する社長の田嶋さんは、生ハムの製造も始めた。本来、高温多湿の日本では、生ハムの製造は適さないらしい。しかし、田嶋さんは限られた寒い時期を狙い、試行錯誤の末、太良産の生ハムをつくれる製法にたどり着いたそう。

    一度食べれば、他との違いがわかる田嶋さんの生ハム。毎年10月から2月には「生ハム塾」を開催。参加者は、町内の工房を訪れ、生ハムの原料となる骨付き豚モモ肉まるごと1本に「塩のすり込み」作業を施す。その後、田嶋畜産に1年間預け、熟成した最高の状態で送られてくるのを待ちわびる。2020年は、残念ながら生ハム塾は中止が決まったらしいけど、復活したら、ぜひ行きたいと思う。最後に、太良の道の駅まで足を伸ばして、ソーセージとハムを買って帰路に着く。ものづくりに触れた旅は、私の心にしっかりと刻まれた。